2026.07.31

役員報酬はどう決める?

※この記事は2026年7月31日現在の税法などの情報にもとづいています。

「役員報酬っていくらにすればいいですか」。よくいただく質問です。考えてみれば迷って当然です。オーナー企業の社長にとって役員報酬は自分の給料を自分で決めるということ。相場を教えてくれる人もいなければ間違えると損をしそうな気もする。今日は私が面談でお話ししている考え方の順番でこの質問にお答えします。

会社に残すか、給料でもらうか

社長がオーナー(株主)でもある会社では、事業で稼いだ利益の行き先はふたつです。会社に残すか、役員報酬として社長個人が受け取るか。役員報酬を決めるということは、この分け方を決めることです。

どちらを選ぶかで、かかる税金の種類が変わります。会社に残せば法人税、個人に移せば所得税。また給料として受け取る分には社会保険料もかかります。配分しだいで手元に残る合計額は変わります。

とはいえ最初から細かい損得計算に入る必要はありません。配分は毎年決め直せます。まず押さえるべきは自分の会社がいまどういう状況か、です。

会社の状況によって決め方は変わる

今期の利益をだいたい見通せる会社と、まだ見通せない会社では決め方が違います。

売上や経費が安定していて利益の予測がつく会社なら、税金や社会保険料も踏まえながら会社と個人の無理のないバランスを探っていけます。

一方で設立したばかりの会社が精緻な計算をしても意味がありません。この場合は社長の生活費から逆算して、家賃や仕入や借入の返済に支障が出ない金額に収めるのが現実的です。

それから融資を受けている、あるいは、これから受けたい会社はひとつだけ注意してください。銀行は会社の利益と役員報酬を合わせた金額で返済する力を見るのが一般的です。報酬を削って利益を大きく見せても実質は同じと見られますし、生活が成り立たないほど低い報酬はかえって不自然に映ります。

決めた後のルールはシンプルです

金額が決まったら、次は支払い方のルールです。原則として事業年度が始まってから3か月以内に決めて、あとは毎月同じ額を支払う。期中の変更は原則できません。あわせて決めた根拠として株主総会の議事録を残します。株主も自分なので形式的に感じるかもしれませんが、報酬を損金として扱うための決まりごとです。

実際のところ小さな会社ではこのあたりが曖昧なまま、という例は少なくありません。支払いが不定期だったり未払いのままだったり議事録がなかったり。毎月同じ額を払って議事録を残す。それだけのことなので、悩む前にまずこのルールを整えておきましょう。

ありがちな失敗はふたつ

ひとつは役員報酬が高すぎるケース。業績の良かった年を基準に決めた報酬を売上が落ちても続けてしまい、報酬の支払いが重荷になって会社が赤字に沈んでいきます。

もうひとつは反対に低すぎるケース。報酬を絞りすぎて生活費が足りなくなり、会社のお金を引き出して「役員貸付金」が積み上がっていきます。会社のお金と自分のお金の境目が曖昧になり、銀行からの見え方も悪くなります。

どちらも原因は同じで、決めた金額が会社と生活の実態に合っていないことです。うまく決めようとするより実態に合わせて毎年決め直すほうが、結果として手元にお金が残ります。

まとめ

役員報酬は会社の利益をどう分けるかという話で、唯一の正解はありません。利益を見通せるなら会社と個人のバランスで、見通せないなら生活費からの逆算で決める。決めたら毎月同じ額を払い議事録を残す。そして翌年、実態に合わせて決め直す。当事務所ではこの毎期の見直しを顧問料の範囲でご提案しています。料金と月額に含まれる範囲はこちらで公開しています。

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モノリス会計事務所は、小さな会社の経理をまるごとお引き受けする西宮の税理士事務所です。

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