会社に貯まったお金、どう使う?
※この記事は2026年8月13日現在の税法などの情報にもとづいています。
「不動産投資を検討しているのですが」。決算のあとの面談で、こう切り出されることがあります。売上が安定して会社にお金が残るようになると、次に出てくるのがこの悩みです。今日はこの相談を受けたとき、私がどういう順番で話しているかをお伝えします。
税金だけで考えれば会社に残すのが得
会社に残すか、役員報酬として個人が受け取るか。節税だけを考えるなら、会社に残しておくほうが有利になることが多いです。
ただ、会社に残したお金は社長の自由には使えません。生活に回すには役員報酬として受け取るしかなく、そこには所得税と社会保険料がかかります。税金を抑えることだけを基準に決めていくと、会社にはお金があるのに今の生活がつまらない、という状態になりがちです。
将来に備えることは大事です。そのうえで、個人として本当に価値のあることにお金を使うことも同じくらい大事だと思っています。この記事はその前提で書いています。
役員報酬そのものの決め方は別の記事にまとめています。
まず聞くのは本業への投資
現預金が積み上がっている会社で、私が最初に確認するのは本業のほうです。設備でも人でも広告でも、事業のなかで何か考えていることはありませんか、と聞きます。
そこに使い道があるなら、たいていはそちらが先です。手元にお金を置いたままにしておくと、物価が上がっていく局面では実質的に目減りしていきます。何もしないことにも損はあります。
本業で使う予定がないとなって、はじめて次の話になります。
不動産がいいかどうかの前に
不動産投資はどうか、と聞かれることがよくあります。ただ、その質問に入る前に考えたほうがいいことがあります。
資産をひとつに寄せないことです。分散が王道と言われるのは、どれが当たるか事前には分からないからです。会社の事業そのものが既にひとつの集中投資になっている、という見方もできます。そこに不動産を重ねると、うまくいくときは大きいですが、逆に振れたときも大きく振れます。
何を選ぶかより先に、全体としてどう配分するか。順番としてはそちらが先だと思います。
税理士が答えられること、答えられないこと
投資の目利きはしません。不動産には不動産の、株式には株式のプロがいます。この物件は買いですか、という質問に税理士は答えられません。
答えられるのは、その手前の部分です。会社にいくら残して個人にいくら回すか。その配分で税金と社会保険料がどう動くか。今の会社の状況で本業に使う余地があるかどうか。ここまでが税理士の仕事だと考えています。
そのうえで、専門家に相談したほうがいい話だと判断すれば、そう申し上げます。
まとめ
会社にお金が残るようになったら、まず本業に使う予定があるかを考える。なければ手元に置いたままにせず、ひとつに寄せない形で配分を考える。何を買うかの目利きは専門の人に任せる。
そして、税金を抑えることだけを基準にしないことです。会社にお金を残すのは将来のためですが、今の生活も一度きりです。
こうしたお金の配分の相談も、顧問料の範囲でお受けしています。料金と月額に含まれる範囲はこちらで公開しています。